bg

わっしょい吉祥寺

グルメ

ライフスタイル

イベント

吉祥人

わくわく特集

SIGN IN

【中村 勇太】~地域を愛し「ぷらっと」立ち寄れる場の管理者~

アンダーライン

成蹊学園と吉祥寺北コミュニティーセンターの間あたりに『ぷらっと吉祥寺』というご近所の方だけが知る隠れスポットがございます。
一軒家のガレージ部分に、散歩の途中やちょっと休憩したい時に重宝する椅子や、お子様連れでも楽しめる動物のフィギュアや見慣れた鉄道やバスのおもちゃ、曜日によって開催されるプチイベント、季節の果物を販売する果物ラックなどが設置されております。
過去には地域の人向けイベントとしてワークショップを開催したり、地域の方必見の『吉祥寺今昔写真集』や『井の頭公園100年写真集』を発行している、地域密着の出版でお馴染みのぶんしん出版とのコラボで、地域の歴史パネル展示なども行ったことがあるそうです。

この場所を管理しているのが、今回の吉祥人【中村 勇太】さん。
今回は中村さんがなぜ『ぷらっと吉祥寺』を開放するようになったのか、武蔵野市愛たっぷりのお話をご紹介いたします。

●祖父母との会話のきっかけで目覚めた「地元愛」
現在「ぷらっと吉祥寺」として運営しているガレージがある建物は、元々中村さんの祖父母が住んでいたご自宅とのこと。
当時、三鷹市にお住まいの中村さんは、いわゆる「おじいちゃん・おばあちゃん子」だったそうです。
そんな大好きなおじいちゃん・おばあちゃんに会いに行った際の会話のネタにと、吉祥寺のことを調べ始めたことがきっかけで、子どもながら「地元愛」に目覚めました。
地元である吉祥寺や三鷹をより詳しく知りたいと、武蔵野市・三鷹市の双方のチラシや広報を保管し、それぞれの違いや特色、市政の違いなどをチェック。
小学生時代に市長の追っかけを始め、中学時代には市の委員会を傍聴したりサインをもらいに行くほどの「地域オタク」に成長していたそうです。

●吉祥寺がまちへの好奇心を広げた
高校時代には学友に「吉祥寺オタク」として広く認知されるレベルに。
この頃から「自分達の街を良くしたい」という気持ちが芽生えるとともに、大好きな吉祥寺のまちが好奇心の原動力になって、全国的な問題や課題にも関心を持つようになりました。

大学進学時期の頃出会った書籍が『まちづくり読本』。
この本の中で、小田切 徳美教授は、「農山村では誇りの空洞化が進んでいる」と書いていたそうです。簡単に説明すると『「自分達の街を良くしたい」と思う人が少なくなってきている』と地域の問題を提起する内容だったそうです。
感銘を受けてぜひ授業を受けたいと思い、小田切 徳美教授のいらっしゃる明治大学農学部食料環境政策学科に進んだ中村さん。
先生の授業を受けるだけでなく、その本を出版していた会社に就職。
この会社に就職したのは全国の自治体と取引があるため、様々な地域の情報が集まり、仕事を通して学ぶことができるから。そして、ゆくゆくは自分の地域の為に活かせると思ったのが理由だったそうです。

ちなみに大学時代の同級生がお魚とお野菜を同時に育てる次世代の循環型農法「アクアポニックス」を研究しており、その繋がりで現在お子様にとって見るだけで楽しく学ぶことができると「ぷらっと吉祥寺」に同システムが設置されております。

●地域のプラットフォームとして
たくさん学び、色々経験した中村さんは、祖父母が住んでいたご自宅の空きスペースを「地域の人が集まる場所」を開こうと決意します。
近くにはコミセンもありますが、もう1つ気軽に立ち寄れる空間を作りたい。そして自由に催しができ、犬の散歩中の人などでも立ち寄れる場所になってほしいとガレージをDIY。
その場所は「散歩や登下校、通勤・通学や帰りなど、近くに寄った人が『ぷらっと』立ち寄れる」、「地域のプラットフォームになってほしい」という2つの想いから「ぷらっと吉祥寺」という名前となりました。
朝は主婦の方々、昼は学生たち、夕方はお向かいの保育園帰りの親子、夜は仕事帰りの方など、老若男女問わず様々な方々が好きなタイミングで立ち寄るそうです。
果物販売は特に好評で、補充がある曜日に足繁く通う近所の方もいるとか。
今ではバナナを食べながら近所の方が談笑したり、学校帰りの学生が遊びに来たりと知らない人同士でも距離が近い場となっています。

●「この街って楽しい」と思える場にしたい
現在「ぷらっと吉祥寺」では毎月第一土曜日に包丁研ぎのイベントを行っています。
その他この先第二・第三土曜日など、「土曜日に行けば何か催しがある」場所にできたらと考えているそうです。
ワークショップはコロナ禍で現在行われていないそうですが、ゆくゆくは誰でも自分の得意分野を教えられる場として再開したいと考えております。
また、ガレージだけでなくゆくゆくはお家の方も開放して、より広い意味で「ぷらっと」寄れて楽しめる場にしていきたいと計画中。
現在はお試しで知り合い向けにワーキングスペースを作り、市内のみならず杉並区からも利用しに来ている人がいるとのことです。

祖父母とのつながりで始まった地元調べが、いつの間にか生涯の夢に変わった中村さん。
中村さんの「地元愛」はこれからも、地域の人々、そして武蔵野・三鷹の人々のために発揮されるでしょう。
これからの活動が見逃せませんね!