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【吉祥寺・三鷹で活動する 匠シリーズ】第七回 美技の匠『ベネチアンバザー(VENETIAN BAZAAR)』

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吉祥寺・三鷹エリアで美しい技で活躍する匠をご紹介するこのコーナー。
第七回目は、ビーズを中心にイタリアの文化を中道通りで伝え続けている「ベネチアンバザー」のマウリツィオ・ロッテルさん。 ベネチアンガラスへの思いと、その魅力について伺いました。



●ガラス棒から生まれる美しい作品 魂の込められた技術こそ本物の証

 吉祥寺の中道通りにたたずむ、外国の街角のようなロマンティックなモザイクタイルとイタリアの国旗がかかった看板のあるお店。ベネチアンガラスを使ったアクセサリーやビーズの販売・加工を行う「ベネチアンバザー」です。
 オーナーはイタリアのベネチアで生まれ育った、マウリツィオ・ロッテルさん(以下マウリさん)。幼い頃からベネチアンガラスの工房が遊び場だったというマウリさんが本格的に職人として学び始めたのは12歳くらいの時です。「子どもでしたが、ただのガラス棒から美しいものができあがる技術に、とても感動しました。本物のベネチアンガラスとは、職人の魂が込められた技術で作られた作品。目の前で見て、その価値の高さを、身をもって 知りました」。
 職人の技術を学びながらも、語学が堪能だったマウリさんは高校を卒業後、イタリア大手のガラス会社に就職。販売員としてベネチアンガラスの魅力を伝えていました。その後もローマの会社でジェネラルマネージャーまで勤め上げますが、再びベネチアに戻り、本格的にガラス職人として歩み始めます。そして1992年に来日し、吉祥寺で「ベネチアンバザー」を開業しました。
 「実は以前から仕事で日本にはよく来ていたので、日本語も勉強していました。当初は、いつかイタリアに戻るつもりでしたが、吉祥寺が好きでかれこれ34年ずっとここで続けていす」。吉祥寺は街の中だけで必要な物がそろうところがベネチアに似ていて落ち着く、と言うマウリさん。現在は、イタリアと吉祥寺、そして京都にあるベネチアンガラスビーズ保存協会公認の工房 「Atelier Mauri」と3つの拠点で活動しながら、催事で全国を回っています。





●一点ものと出会えることも! ガラスを通じて文化を伝えたい
 ベネチアンバザーにそろうのは、マウリさんがイタリアの現地で買い付けたビーズなどのアイテムと、自身でデザインした美しいアクセサリーの品々。イタリアで仕入れたガラス棒を使い、工房で作ったオリジナルビーズを主役にデザインしています。「中には100年前のモザイク柄など、大変貴重なガラスを使ったビーズもあります。ガラスは自然なものだから、作ってみないと最終的にどんなデザインができるかわからないし、時には失敗して火傷をすることもあります。でもそれも経験。作っても作っても、どんどん先があるのが楽しいですね」。ここなら現地では手に入らない希少な一点もののベネチアンガラスを見つけられるのです。
 実は、ベネチアンガラスの技術は2020年にユネスコが制定する世界無形文化遺産に登録されています。そんな貴重な技術の価値を世界中に広めたい、とマウリさんは言います。「職人の技術をもっと知ってほしいですし、ベネチアンガラスを通じて、イタリアやベネチアの文化を伝えていきたい。そのために私は働いていると言っても過言ではないでしょう」。イタリアの地元誌に活動が紹介され、祖国に認められることに喜びを感じている、と嬉しそうに話すマウリさん。今日も文化を広めるという使命のため、世界各国で活動を続けています。







≪店舗情報≫
店名・・・ベネチアンバザー(VENETIAN BAZAAR)
住所・・・武蔵野市吉祥寺本町4-1-1
電話番号・・・0422-23-1677
営業時間・・・【平日】12:00~17:00【 土日祝】11:00~18:00
定休日・・・水曜日(催事で不定休あり)
詳しくはこちら!
マウリツィオ・ロッテルさんプロフィール・・・イタリア・ベネチアのムラノ島出身。12歳頃から職人たちとガラス作りを学ぶ。高校卒業後、イタリア大手のガラス会社「VIVARINI」に就職。その後ローマの「CRISTAL CENTER」などを経て、再びガラス職人としてベネチアに帰還。1992年に来日し、吉祥寺にベネチアンバザーをオープン。2022年には京都にベネチアンガラス保存協会公認の工房「AtelierMauri」をオープン、ベネチアンガラスの技術や文化などを世界各国へ広める活動を行っている。