【Mr.MOJOの吉祥寺奇譚】第七話 Bar PAGE
【Mr.MOJOの吉祥寺奇譚】第七話 Bar PAGE
※この物語はフィクションです

焼き鳥「てら」の店主、寺田が薦めて来た店は御殿山にあった。
彼が行きつけだという店は階段を上った中二階にあるガラス張りのお洒落なオーセンティックバーであった。寺田らしからぬ店選びのセンス。Bar PAGE。私は粗を探すように店内を見渡す。
バーの中は静かだが客はそこそこ入っていた。囁くような会話が途切れ途切れに耳たぶをくすぐる。カウンターに置かれたウイスキー瓶や小物から経てきた年月を感じた。決して広くはない店内の疎らに置かれたチグハグな椅子やテーブルも、何故かこの空間を彩るのに一役かっている。
混沌としていながら、カウンター内に竚むマスターの存在が調和を生み出しているかの様だった。

〈第八話に続く〉
