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【Mr.MOJOの吉祥寺奇譚】第十二話 サワー誉

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【Mr.MOJOの吉祥寺奇譚】第十二話 サワー誉
※この物語はフィクションです



 その場所、TETRA APARTMENT STORE(テトラ アパートメント ストア)は雑多な店の集合体だった。
 今夜はいつにも増して飲み過ぎた様だ。クックロードをフラフラと千鳥足で歩けば、気付くと五日市街道の手前。私は火取虫(かとりむし)よろしく、目の前の灯に飛び込む。
 横文字の店名からは似つかわしくない渋い磨りガラスの引き戸を開けると、空間の中にまるで屋台の様な店が四方に散らばっていた。
 私は若者で賑わう手前の店の客らを掻き分け、奥で独り、ポツリとテレビを眺めている男の立つ屋台のカウンターへと腰掛けた。
 男が振り返る。
 無言で暫くにらめっこをする私と男。私が看板にあるサワーの文字を指差したのと男がそれに頷いたのは、ほぼ同時だった。



〈第十三話に続く〉