三鷹の夜、ふとラーメンが恋しくなる瞬間がある。
駅の周りを歩けば、昔ながらの中華そばから、個性派の新店まで、実に多彩な一杯が並ぶ。
この連載「三鷹ラーメン放浪記」では、そんな三鷹のラーメンシーンを、地元目線でぶらりと巡っていく。
今夜の目的地は、夜にだけ現れる“鬼”の店——スタミナ満点らーめん すず鬼。

三鷹駅南口から徒歩3分。昼は「鶏こく中華 すず喜」として、鶏の旨味を丁寧に引き出した上品な一杯を提供する名店が、夜になると看板を掛け替え「スタミナ満点らーめん すず鬼」へと姿を変える。
そのギャップこそが、多くのラーメンファンを惹きつける理由だ。

看板メニューは「スタ満ソバ」。千葉・長柄の“アリランラーメン”をベースに、竹岡式の甘辛醤油と二郎系の豪快さを掛け合わせた唯一無二の味わい。
辛さは選べます。
私は1辛（充分辛い＾＾）
丼を覆うのは豚バラ、玉ねぎ、ニラ。そこへニンニクとショウガ、背脂が加わり、濃厚ながらも不思議と箸が止まらない中毒性がある。麺は力強い極太ストレート。
ワシワシと噛み締めるほど、旨味が押し寄せてくる。

無料トッピングは「ニンニク・ショウガ・背脂」。好みに応じて調整できるのも嬉しいポイント。
行列覚悟の人気店だが、開店直後の18時台が狙い目。スープは濃いめなので、初訪問なら「ニンニク少なめ」で様子を見るのがオススメだ。

ガッツリ食べたい夜、疲れた体に喝を入れたい夜——。
三鷹の夜に目を覚ます“鬼”の一杯が、あなたの胃袋を掴んで離さない。

背徳感を帳消しにできる黒ウーロン茶も忘れずに(笑)。

濃厚でパンチのある一杯のあとに残るのは、不思議な満足感。
「また明日も頑張ろう」——そんな気持ちをくれるのが、すず鬼の魅力かもしれない。
三鷹の街には、まだまだ知られざる名店が潜んでいる。
次はどんな一杯に出会えるだろうか。放浪は、まだ始まったばかりだ。