吉祥寺第一ホテルが営業終了~私と吉祥寺第一ホテル②~
前回に引き続き34年の歴史を支え続けてきたベテランスタッフの方々にお話をうかがいました。 前回の記事はこちら
~私と吉祥寺第一ホテル②~
営業部・販売予約セールスマネージャー 市毛武志さん<'81年12月入社>
●ホテルは一年中イベントをしている
感染拡大中の時と比べると、お客様はだいぶ戻ってきました。
緊急事態宣言下では、外には出ませんでしたが、このときのために取引先に連絡したり、顔つなぎをしたりしていました。
当ホテルは阪急阪神第一ホテルグループの一つであり、都内には新橋と品川(天王洲)に直営の第一ホテルがあります。
いわばホテル全体を年間通して売っていくのが私たちの仕事です。
12月・1月は忘年会・新年会、3月は謝恩会、歓送迎会、夏は納涼、春と秋は叙勲・褒章の祝賀会・総会など。
ほぼ一年中需要はあり、そこを逃さないように営業・販売を行っています。
●オープン事業にかかわる
私の入社は当ホテル開業の半年前で、まず準備室に入りました。
レストランを担当していたのでマニュアルなどを作りながら、諸先輩の働き方を学び、また、工事中の建物を見ていました。
レセプションにどんな方を呼ぶかなど、事務方のベテランは実に素早く決めててきぱきこなしていきます。
それも見事でしたが、完成したホテルを見て、突き抜けるような吹き抜けに驚きました。
周囲の窓は飾りではなく、客席の出窓。
館内なのに外、それも外国のパテオのような造りで、全国から見学の方が見えました。
設計士は女性のスタッフでした。
おそらく女性のお客様に利用していただきたいことから依頼したと思います。
当時、ホテルといえば男性が宴会や会議に集まるところでしたが、この吉祥寺第一ホテルはまったく違いました。
●地元の女性が集う、花の香りのするホテル
女性のお客様が多いのは、現在も変わりありません。
地域の皆様のご利用が多いホテルだと思います。ラウンジはお待ち合わせに多く使っていただいています。
企業にしても、地元の中小企業が多く、まさに地域密着型のコミュニティホテルだと思います。
こうしたカラーは私たちが打ち立てたもので、また、街と私たちが一体となって作り上げたものといえます。
今後、運営の状況はどうなるのかわかりませんが、異動した先でも見守っていきたいと思っています。
人往来ときめきホテルが当時のキャッチフレーズ 次回「~私と吉祥寺第一ホテル③~」へ続く
【 取材・文/AZUSA 】
出版社勤務を経てフリー編集者に。
著書に『薫の君によろしく!』(双葉社)、『なごみ歳時記』(永岡書店)、編集協力に『校閲記者の目』(毎日新聞出版)、『神様がやどるお掃除の本』(永岡書店)など。
ヤフークリエイターズプログラムでも記事配信中。